「翻訳の仕事って、未経験からでもできるの?」
英語が好きで、在宅でできる仕事を探していると、自然と気になるテーマだと思います。
一方で、ネット上には「未経験OK」「誰でも始められる」といった言い方も多くて、慎重な人ほど不安になりますよね。
ここで大事なのは、いきなり白黒をつけることではなく、“翻訳の仕事として成立する条件”を先に整理することです。
この記事では、翻訳スクールや案件紹介をすすめる目的ではなく、
「可能性はあるが簡単ではない」という現実を、翻訳者としての実務目線で淡々と整理します。
読後に「自分は向いていそう/今は別の道がよさそう」と冷静に判断できる状態を目指します。
結論:不可能ではないが、思ったよりハードルはある
結論から言うと、未経験から翻訳を目指すことは“不可能ではありません”。
ただし、思っているよりハードルはあります。
ここで言うハードルは、根性論ではなく「仕事として納品できるか」という現実です。
英語が好き・勉強してきた、という土台は強みになります。
ただ、翻訳は「英語力がある=すぐ仕事になる」とは限らない仕事でもあります。
「未経験OK」と言われる理由
では、なぜ「未経験OK」と言われる余地があるのでしょうか。
翻訳は、医師や弁護士のように“資格がないとできない”タイプの職業ではありません。
極端に言えば、必要なのは資格よりも、成果物(訳文)の品質です。
そのため、経験が少なくても「この分野なら読める」「この条件なら対応できる」という入口が存在します。
逆に言えば、資格があっても品質が伴わなければ仕事にはなりにくい、という面もあります。
翻訳には、扱う分野(一般、ビジネス、IT、医薬、法律など)や形式(メール、マニュアル、記事、字幕など)があります。
この“幅”があるため、最初から難しい分野に飛び込まなくても、自分の得意領域や生活条件に合わせて小さく始めることは可能です。
ただしここは誤解しやすい点で、
「小さく始められる=簡単に稼げる」ではありません。
あくまで「入口がゼロではない」という意味です。
実際のスタートラインで求められるもの
ここからが本題です。未経験で翻訳を目指すとき、現実のスタートラインで求められやすい要素を分解します。
※資格や点数で断定はしません。理由は、現場で必要になるのが“点数”より“作業の安定性”だからです。
翻訳でまず必要なのは、当然ですが原文を読む力です。
ただ、「英検〇級ならOK」みたいな話にはしにくいです。文章の種類や分野で難しさが変わるからです。
目安としては、読んでいて
- 意味が取れない文が続くと止まってしまう
- 文の骨格(主語・動詞・修飾)が追えず迷子になる
この状態が多いと、仕事としてのスピードと安定性が出にくいです。
逆に、難しい文でも「調べれば筋道が立つ」「構造は追える」なら、伸ばしやすい土台があります。
未経験の人が見落としがちなのが、日本語の仕上げです。
翻訳は英語を日本語に“置き換える”だけではなく、読み手に伝わる形に“整える”作業です。
たとえば、
- 主語が抜けて意味が曖昧
- 長すぎて何が言いたいか分からない
- 文章として不自然で読みづらい
こうなると、英語が正しく読めていても「納品物」として弱くなります。
英語の勉強をしてきた人ほど、ここは伸びしろになりやすい部分でもあります。
実務の翻訳は「調べものの連続」です。
単語を辞書で引くだけでなく、文脈、業界用語、固有名詞、表現の慣習などを、複数の情報から照合して判断します。
このときに必要なのは、
- すぐ答えが出ない状態に耐えられる
- 調べた結果を比較して、根拠を持って決められる
- 一度決めた訳語も、あとで修正できる柔軟さがある
といった力です。
「英語が好き」という気持ちが、ここで強みになります。
ただし、地味で時間がかかる工程なので、合う/合わないは出ます。
在宅ワークとしての翻訳は、結局のところ「仕事」です。
品質だけでなく、納期、連絡、修正対応などの基本動作が問われます。
未経験で最初に大切なのは、派手な成果よりも
“約束を守って、安定して納品できる”という信頼です。
ここが積み上がると、少しずつ任される幅が広がります。
初心者が誤解しやすいポイント
未経験から目指すときに、つまずきやすい誤解を3つ挙げます。どれも悪いことではなく、知らないと遠回りになりやすいポイントです。
英語力は必要条件ですが、十分条件ではありません。
翻訳は「読解」+「日本語の設計」+「調査」+「納品作業」がセットです。
英語が得意でも、日本語が荒いと品質が安定しませんし、調査が弱いと分野系で止まります。
「未経験OK」という言葉だけ見ると、明日から案件が取れるように感じてしまうことがあります。
実際は、最初は学習と試行錯誤の比率が高く、“仕事になるまでの準備期間”が必要になりやすいです。
これは翻訳に限らず、在宅でできるスキル系の仕事全般に近い構造です。
翻訳は、語学のイメージから「かっこいい」「知的」と見えやすい一方で、日々の作業はかなり地道です。
同じ文章を何度も読み返し、用語をそろえ、表現を整え、指摘があれば直す。
この地味さを「苦行」と感じるか、「職人仕事で面白い」と感じるかで、向き不向きが分かれます。
それでも翻訳を選ぶ価値がある人
ここまで読むと、ハードルばかりに見えるかもしれません。
ただ、条件が合う人にとっては、翻訳は“長く続けやすい在宅ワーク”になり得ます。
一発で完璧を目指すより、「前より読みやすくできた」「用語が揃った」といった改善に手応えを感じる人は強いです。
翻訳は、積み上げ型の仕事です。
最初から大きな結果を求めすぎない人ほど、結果的に伸びます。
理由はシンプルで、準備と試行錯誤の時間を確保できるからです。
在宅は自由度が高い分、自己管理が要です。
「守るべきことを守る」「不明点を放置しない」など、仕事の基本を丁寧にできる人は、翻訳と相性が良いです。
※逆に、短期で大きく稼ぎたい、派手な変化がほしい、地味なチェック作業が苦手、という人は、翻訳以外の英語×在宅ワークの方が納得感が高い場合もあります。否定ではなく、選択の話です。
次に考えるべきこと
ここまでで、「未経験から翻訳を目指すのは不可能ではないが、条件がある」という全体像が掴めたと思います。
次に考えるべきことは大きく2つです。
1つ目は、自分は翻訳に向いていそうか/今は別の道がよさそうかを、もう少し具体的に整理すること。
(例:作業の地味さへの耐性、調べる作業の好き嫌い、時間の確保など)
👉翻訳に向いているか不安な人へ|英語以外の現実的な判断軸
2つ目は、翻訳にこだわりすぎず、翻訳以外の「英語×在宅ワーク」も含めて比較することです。
英語を使う仕事は翻訳だけではありません。文章作成、英語学習サポート、海外対応の事務など、性格や生活に合う選択肢が別に見つかることもあります。
👉英語を使った在宅ワーク・副業の全体像|初心者向け整理ガイド
このあたりは別記事で、判断しやすい形に整理しています。
「今の自分に合うルート」を落ち着いて選べるように、一緒に選択肢を広げていきましょう。
要点まとめ
- 未経験から翻訳を目指すことは不可能ではない
- ただし「英語ができる=すぐ仕事」ではなく、ハードルは現実にある
- 必要になりやすいのは、英語力だけでなく日本語力・調査力・仕事としての姿勢
- 誤解(すぐ稼げる/華やか/英語だけ)を直すと判断がラクになる
- 向く人は「地道な改善」「粘り強い調査」「信頼を積む」タイプ
- 次は「向き不向きの判断」と「他の英語×在宅ワークとの比較」を進めるのが自然

この記事を書いた人
青
翻訳歴15年以上。
田舎の公務員とパート主婦の家庭に生まれ、
バックパッカー経験を経て、英語・スペイン語で仕事をするようになりました。
このブログを通して、
「なんだ、私にもできるかも」
と思ってもらえたらうれしいです。
一緒に、英語のある暮らしを楽しんでいきましょう。


