翻訳に興味を持ち、少し調べ始めると
「翻訳者はどんなツールを使っているのだろう?」
と気になってくるのは自然な流れです。
辞書、AI翻訳、英文チェックツールなど、
調べれば調べるほど選択肢は増えていきます。
一方で、多くの初心者がここでつまずきます。
- どこまで揃えればいいのか分からない
- 便利そうなものが多すぎて判断できない
- ツールに頼りすぎていいのか不安
この記事は、
「何を使うか」ではなく「どう考えるか」を整理するためのまとめです。
結論:翻訳者はツールを使うが、考え方が先
結論から言うと、
多くの翻訳者はツールを使っています。
ただし、
考え方を持たずにツールを増やすことはしません。
ツールは翻訳の代わりをするものではなく、
判断や作業を支える「補助役」として使われています。
翻訳者がツールを使う目的
翻訳は、「知っている英語を日本語に置き換える作業」ではありません。
背景知識、分野特有の言い回し、文脈に合った意味を調べる工程が必ず入ります。
ツールは、この調査を省略するためではなく、
調査の入口を広げたり、方向性をつかむために使われます。
最終的な裏取りや判断は、人が行う前提です。
どれだけ注意していても、人の目には限界があります。
誤字脱字だけでなく、「意味は通っているが不自然」という部分は特に見落としやすい点です。
翻訳者にとってツールは、
自分の訳文を客観的に見直すためのチェック役として機能します。
「正解を出してもらう」よりも、「違和感に気づくきっかけ」を得る目的が大きいです。
翻訳では、一つの文に対して複数の訳し方が考えられます。
ツールは、その中の選択肢を増やすために使われます。
ただし、どの表現を採用するかは、
読み手・用途・文脈を踏まえて人が決めます。
ツールは判断を代行する存在ではありません。
長時間の翻訳作業では、集中力や判断力が徐々に落ちていきます。
ツールは、そうした状態でも作業の質を安定させるための補助として使われます。
スピードを上げるためというより、
疲れても極端なミスをしにくくするための役割に近いと考える翻訳者も多いです。
翻訳者がよく使うツールのカテゴリ整理
ここでは、ツール名ではなく役割で整理します。
- 辞書・用語確認系
単語の意味だけでなく、使われ方や専門用語を確認するためのもの。 - 英文チェック・表現確認系
英文として不自然な部分がないかを確認する補助。 - AI翻訳・下書き補助系
ゼロから書く前の叩き台や、別案を出すための参考。 - 参考資料・コーパス系
実際に使われている表現例を確認するための資料。
※ あくまで一例として、
DeepL
Grammarly
ChatGPT
などが、これらの役割で使われることがあります。
ツールを選ぶときの判断軸
翻訳ツールを選ぶときに大切なのは、
「評判がいいか」「有名か」ではありません。
翻訳者は、次のような視点でツールを見ています。
まず考えるのは、
翻訳工程のどこで負担を感じているかです。
- ❌「便利そうだから入れてみる」
- ⭕「調べ物に時間がかかりすぎている」「チェックで迷うことが多い」
目的が曖昧なまま導入すると、
結局どの場面でも使わなくなりがちです。
翻訳では、
意味の解釈・表現の選択・全体の自然さなど、
人が判断すべき部分が必ず残ります。
- ❌「ツールが出したから正しいはず」
- ⭕「ここは自分で決める。そのための参考として使う」
この線引きができているかどうかで、
ツールとの距離感は大きく変わります。
良いツールは、
使うことで「なぜこの表現になるのか」を考えるきっかけを与えてくれます。
- ❌「考えずに使えるか」だけを見る
- ⭕「使ったあとに説明できるか」を基準にする
翻訳者にとって重要なのは、
作業が楽になることより、判断の質が下がらないことです。
ツールを使いすぎないための注意点
- 出力をそのまま信じない
- 間違っていても気づける前提で使う
- 考える工程を手放さない
特にAI系ツールは、
便利さと引き換えに判断力を奪いやすい側面があります。
(※ AI翻訳の実務利用については、別記事で詳しく扱います)
具体例としてのツール紹介
ここでは「よく使われがちな一例」として触れます。
- DeepL
下書きや別案確認の補助として。 - Grammarly
英文の違和感チェック用。 - ChatGPT
考えを整理する壁打ち相手として。
いずれも、
翻訳の代わりに使うものではありません。
英語を使った在宅ワークを考えている方にとって、
一つの選択肢として知っておいてもよいツールです。
次に考えるべきこと
ツールの考え方が整理できたら、
次は次のようなテーマも判断しやすくなります。
それぞれ、別記事で具体的に解説しています。
要点まとめ
- 翻訳者はツールを使うが、万能とは考えていない
- ツールは判断を助ける補助役
- 目的ベースで選ぶことが重要
- 考え方を持てば、ツールに振り回されなくなる

この記事を書いた人
青
翻訳歴15年以上。
田舎の公務員とパート主婦の家庭に生まれ、
バックパッカー経験を経て、英語・スペイン語で仕事をするようになりました。
このブログを通して、
「なんだ、私にもできるかも」
と思ってもらえたらうれしいです。
一緒に、英語のある暮らしを楽しんでいきましょう。


